読んでおきたいこの100冊 |
2013年 05月 14日 |
エッセイいろいろ。
『余が言文一致の由來』
著者:二葉亭四迷
1887年に発表された『浮雲』は、日本の言文一致小説のはじまりとされている。その作者二葉亭四迷が、そのはじまりに至る経緯を書いたのが本書。多少の自虐とユーモアを込めているのだろうけれど、言文一致は自分が文章を書けなかったことに由来するという。そして、師匠坪内逍遥から言文一致表現の先駆者、三遊亭圓朝のように書けと言われたからだとも。
『女の顔 ―私の好きな―』
著者:黒田清輝
日本で最も有名な洋画家のひとり、黒田清輝の女の好みについて。「一口に云ふと、薄ぼんやりした顔が好きです」とは、いかなることか。表情を削ぎ落とし、顔そのものについて語り続ける短いエッセイには、画家ならではのこだわりが凝縮されている。
『自分だけの世界』
著者:辻潤
読者のため、というよりもむしろ自分の覚書の為にという冒頭から始まる、マックス・シュティルナーというドイツの哲学者を紹介するエッセイ。個人主義を基調とし自己の存在だけを肯定するというその言説に、極端なものを感じながらも、もっとも実用的な哲学ではないかと著者の辻潤は言う。「自分の生きてゆく標準を他に求めないこと」
『モスクワ印象記』
著者:宮本百合子
プロレタリア文学作家として知られる宮本百合子が書いた、1928年ごろのモスクワ滞在についてのエッセイ。満員のサナトリウム、足りないバター、そしてロシアの深さ。過去を知らない外国人と自らを規定して、変革に揺れる当時の様子を克明に記している。
そう言えば・・
数年前に友人が「随筆とエッセイの違いってなんだろう?」
その時は言い方とかほとんど同じ意味なのでは?程度にしか思ってなく
きちんと調べていなかったことを思い出して今回調べてみると
随筆とは、本当にあった出来事、事実をもとに書かれたもの。
こんなことがあったという話。役に立つ実用の文学。
エッセイとは、心のありよう、心の中にある景色のあれこれを書いたもの。
私はこう思った、こう感じたという話。
人間の豊かな心を知ることができる真実を描いた文学。
なるほど~
時代や背景にもよるけど、やっぱり随筆よりはエッセイの方が読みやすいなぁ。
by wanaseikatu | 2013-05-14 23:37 | 本