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こんな本   

2012年 04月 25日
こんな本_d0114841_21584972.jpg『沈まぬ太陽 アフリカ篇(上)』
著者:山崎 豊子

広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命―。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける。



こんな本_d0114841_21591178.jpg『沈まぬ太陽 アフリカ篇(下)』

パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離―。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす…。




こんな本_d0114841_2203150.jpg『沈まぬ太陽 御巣鷹山篇』

十年におよぶ海外左遷に耐え、本社へ復帰をはたしたものの、恩地への報復の手がゆるむことはなかった。逆境の日々のなか、ついに「その日」はおとずれる。航空史上最大のジャンボ機墜落事故、犠牲者は五百二十名―。凄絶な遺体の検視、事故原因の究明、非情な補償交渉。救援隊として現地に赴き、遺族係を命ぜられた恩地は、想像を絶する悲劇に直面し、苦悩する。




こんな本_d0114841_2213461.jpg『沈まぬ太陽 会長室篇(上)』

「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。




こんな本_d0114841_2233253.jpg『沈まぬ太陽 会長室篇(下)』

会長室の調査により、次々と明るみに出る不正と乱脈。国民航空は、いまや人の貌をした魑魅魍魎に食いつくされつつあった。会長の国見と恩地はひるまず闘いをつづけるが、政・官・財が癒着する利権の闇は、あまりに深く巧妙に張りめぐらされていた。不正疑惑は閣議決定により闇に葬られ、国見は突如更迭される―。勇気とは、そして良心とは何かを問う壮大なドラマ、いよいよ完結へ。




『沈まぬ太陽』5巻をやっと読み終えた。
日本を代表する航空会社の腐敗した内実を知れば知るほどに腹が立ち
最初から最後まで、ずっと怒りが収まらず。
事実を小説に仕上げたフィクション部分はあるとしても小説以上の醜い内情があったと思う。
85年ジャンボ機墜落事故の衝撃と連日のニュースを思い出し
ボイスレコーダーに残された機内での懸命な操縦を続ける機長や副操縦士たちのやりとり
墜落までの32分間乗客たちの恐怖を考えると涙が止まらず。
事故の原因や究明も日本の「闇」と「タブ―」でかき消され真相は闇に葬られつつあることに
見て見ぬふりや真実を覆い隠す日本企業の体質は今も昔も変わらないんだなぁ・・と呆れる。

by wanaseikatu | 2012-04-25 22:53 |