こんな本 |
2010年 03月 08日 |
著者:ジョン・クラカワー
1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死している彼の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、二年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか? 出色のノンフィクション。
『その日のまえに』
著者:重松 清
僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。
『食堂かたつむり』
著者:小川 糸
トルコ料理店でのアルバイトを終えて家に戻ると、部屋の中が空っぽになっていた。突然、同棲していた恋人に何もかもを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、主人公の倫子はさらに声をも失う。たったひとつ手元に残ったのは、祖母から譲り受けたぬか床だけ。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな小さな食堂を始める。一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂。次第に食堂は評判になるが・・
『美しい暦のことば』
著者:山下 景子
古くから日本に伝わる、1年を24等分して表す二十四節気と、さらに細かく分けた七十二候。4月上旬の「玄鳥至(ツバメキタル)」、11月上旬の「楓蔦黄(モミジツタキバム)」など、季節感溢れるそれらのことばを紹介する。
借り物本の『その日のまえに』『食堂かたつむり』に泣きました。
生きることを感じさせてくれるそんな2冊と
『美しい暦のことば』の四季を表すことばの美しさにウットリ。
ことばで四季を表現した昔の人のすごさに感心し
日本語の奥深さを改めて勉強させられました。
by wanaseikatu | 2010-03-08 23:42 | 本